「ExcelとGoogleスプレッドシート、結局どっちを使えばいいの?」経理部門に配属されたばかりの頃、私も同じ疑問を抱えていました。周りの先輩に聞いても「どっちも使うよ」という曖昧な答え。それから15年、両方を業務で使い倒した経験から、あなたに最適な選択肢を提示します。
結論から言うと、どちらか一方を選ぶのではなく、業務内容や環境によって使い分けるのが正解です。
ExcelとGoogleスプレッドシート どっち?ケース別の最適解
どちらを使うべきか悩む状況は様々ですよね。ここでは具体的な業務シーンを想定し、ExcelとGoogleスプレッドシート、それぞれの強みを生かせるケースを見ていきましょう。
ケース1: 月次決算処理ならExcel
経理部にとって、月次決算は避けて通れない業務です。複雑な関数やマクロを駆使して、複数のシートを連携させ、正確な数値を集計する必要があります。このような高度な処理を行う場合は、Excelに軍配が上がります。Excelは長年培ってきた安定性と、豊富な機能が魅力です。
特に、財務諸表を作成するような場面では、Excelのピボットテーブル機能や分析ツールが非常に役立ちます。大量のデータを集計・分析し、必要な情報を瞬時に抽出できるため、決算業務の効率化に大きく貢献します。

筆者の経験では、複雑なマクロを組んで自動化している経理担当者は、まだまだExcelユーザーが多い印象です。Googleスプレッドシートでもマクロ(Google Apps Script)は使えますが、Excel VBAに比べると情報が少なく、開発に時間がかかる場合があります。
ちなみに、Excelの関数はMicrosoft公式: Excel 関数 (アルファベット順)で確認できます。数式バーに入力する際、バージョンによっては候補が表示されるので便利です。
ケース2: 営業チームでの情報共有ならGoogleスプレッドシート
営業部では、顧客リストや案件進捗状況など、チーム全体で共有すべき情報がたくさんあります。このような場合は、Googleスプレッドシートがおすすめです。Googleスプレッドシートは、複数人で同時に編集できるため、リアルタイムでの情報共有に最適です。
例えば、営業担当者が外出先からスマホで案件の進捗状況を更新すると、すぐにチーム全体に反映されます。上司は、最新の情報を常に把握できるため、的確な指示を出すことができます。また、コメント機能を使えば、特定のセルに対して意見交換を行うことも可能です。

研修で受講者から聞かれることが多いのは、「Googleスプレッドシートで入力規則を設定する方法がわからない」という質問です。Excelと同様に、Googleスプレッドシートでも入力規則を設定できます。データの入力ミスを防ぐために、積極的に活用しましょう。
実務でよく見かけるのは、営業担当者がGoogleスプレッドシートで顧客リストを作成し、それをマーケティング担当者がダウンロードして、MAツールに取り込むという連携です。
ケース3: 在庫管理でバーコードリーダーを使うならExcel
在庫管理では、バーコードリーダーを使って商品をスキャンし、在庫数を自動的に更新することがあります。このような場合は、Excelが有利です。Excelには、バーコードリーダーから直接データを取り込むためのアドインや、VBAマクロが豊富に用意されています。
Googleスプレッドシートでも、バーコードリーダーからデータを取り込むことは可能ですが、Excelに比べると設定が複雑になる場合があります。また、大量のデータを高速で処理する必要がある場合は、Excelの方がパフォーマンスが高い傾向にあります。

ただし、Googleスプレッドシートにもメリットがあります。それは、スマホやタブレットで在庫状況を確認できることです。倉庫内を移動しながら、リアルタイムで在庫状況を確認できるため、棚卸業務の効率化に貢献します。
ExcelとGoogleスプレッドシート 比較早見表
ここまで紹介したケースをまとめると、以下のようになります。
| 項目 | Excel | Googleスプレッドシート |
|---|---|---|
| 得意な業務 | 月次決算、高度な分析、在庫管理(バーコードリーダー連携) | 情報共有、共同編集、リアルタイム更新 |
| 同時編集 | 不可(ファイル共有が必要) | 可能 |
| オフライン作業 | 可能 | 不可(設定により一部可能) |
| 関数 | 豊富 | 基本的な関数は搭載 |
| マクロ | VBA | Google Apps Script |
| 料金 | 買い切りまたはサブスクリプション | 無料(Google Workspaceは有料) |
| 動作環境 | PC | PC、スマホ、タブレット |
| バージョン管理 | 手動 | 自動 |
| ファイル形式 | .xlsx, .xls, .csv | .xlsx, .csv, Googleスプレッドシート形式 |
使い分けの実務Tips
ExcelとGoogleスプレッドシートを使い分ける上で、知っておくと便利なTipsを3つ紹介します。
- Excel Onlineを活用する:Excel Onlineを使えば、ExcelファイルをWeb上で共有し、複数人で同時に編集できます。ただし、Excel Onlineは、デスクトップ版Excelに比べると機能が制限されているため、簡単な編集作業に向いています。
- GoogleスプレッドシートでExcelファイルを開く:Googleスプレッドシートでは、Excelファイルを直接開いて編集できます。編集した内容は、Excel形式で保存することも可能です。
- を活用する:ExcelファイルやGoogleスプレッドシートファイルを、OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージに保存すれば、どこからでもアクセスできます。

筆者の経験では、VLOOKUP関数で検索範囲の指定を間違えて、エラーになった経験がある人は多いはず。落ち着いて範囲を見直すことが大切です。
ちなみに、VLOOKUP関数については、Microsoft公式: VLOOKUP 関数に詳しい解説があります。
まとめ
ExcelとGoogleスプレッドシート、どちらを選ぶべきか迷ったら、まずは業務内容を整理しましょう。高度な分析や複雑な処理が必要な場合はExcel、リアルタイムでの情報共有や共同編集が必要な場合はGoogleスプレッドシートがおすすめです。両方のメリット・デメリットを理解し、最適なツールを選択することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
- 月次決算など、高度な分析にはExcel
- 営業チームでの情報共有にはGoogleスプレッドシート
- 状況に応じて使い分けるのがベスト
まずは、日々の業務でどちらのツールがより適しているか、意識してみることから始めてみましょう。


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